シンスプリント・オスグッド・シーバー病専門外来 つつじが丘接骨院のブログ2

カテゴリ: シンスプリント

では、前回に続き、


シンスプにより発症する疲労骨折のタイプについて書きます。


②レントゲンで明らかな骨折が確認できるタイプ


このタイプはレントゲンで直ぐに判明しますから、


素人の方が検査画像を見てもすぐにわかります。

シンスプリントが疲労骨折1

上の画像は、
シンスプが疲労骨折を起こしてしまった場合をわかりやすくイラストにしたものです。


明らかに骨に線が入ってしまっています。


極端に脚に負荷がかかる競技に多いのですが、


①の状態を我慢して競技を続けてしまうことで、

このタイプに進行してしまうこともあります。

IMG_4128

また、シンスプになったこともない人がある日突然こうなってしまった、


ということもあるのです。


このあたりの原因については、これから書く予定にしています。


③レントゲンでもMRI検査でも疲労骨折が確認でき、それが多発しているタイプ


おそらく、このタイプの疲労骨折を診たことのある医療関係者はかなり少ないと思います。

copy123

当院でも年に1例あるかどうかというくらい、発症率は低いタイプです。


私が診ても、可哀想になるくらい経過も悪いですし、


治るまでには相当な期間を要してしまいます。


まして、競技に復帰出来るまでにはもっとかかります。


本人の痛みも相当なものだと思います。


画像から判断できることは、


脛骨が虫食い状態になってしまっている、ということです。


なぜ、ここまで骨折が進んでしまうのか、ということについては、


推測になってしまいますが、次回に書きたいと思います。

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シンスプの疲労骨折の場合は、最初レントゲンに写らないことがほとんどです。


患者さまとしては、


レントゲンに何も写っておらず、心配がないということで、


スポーツに復帰しても大丈夫!と考えてしまいがちになるのですが、


この時点で症状を併せて考えることがとても重要なのです。

(前回までのテーマ「シンスプリントの症状レベル」も併せてお読みください)


そうすることで、疲労骨折は未然に防ぐことができます。


では、シンスプが疲労骨折を起こす場合、


その程度によって疲労骨折の形態も変わってきます。


まず、一番多いタイプの疲労骨折としては、


①レントゲンには写らないがMRI検査で確認できるタイプ


シンスプが疲労骨折となってしまう場合には、このタイプが最も多いタイプです。

シンスプリントのレントゲンとMRI画像

レントゲン検査をしても何の変化も写ってはいないので、


問題なしと診断されてしまうことも多々あります。


気を付けなければいけないケースです。


画像としては、レントゲンには骨折を疑わせるものは写ってはいないのですが、


MRI
検査をしていただくことで、

脛骨が炎症を起こしている様子が確認できます。

とりあえず、レントゲン検査では問題がないので、


スポーツを続けてしまうことが多く、

その結果として疲労骨折へと悪化してしまいます。

ここで
シンスプリントのMRI検査についてということで追記しておきます。


◇◆◇◆◇◆シンスプリントのMRI検査について◇◆◇◆◇◆


一般的には、骨の検査ではMRIなどは使われないことが多いようですが、


シンスプリントは骨の内部での骨折を考えなければなりません。


ですから、骨の内部が観察できるMRIを使われることが多いのです。


MRI
の場合は様々な撮影方法があるのですが、


シンスプの場合は、水分が白く映る撮影法で検査をします。

T2脂肪抑制と言われています)


こういう撮影法でMRI検査をすると、炎症の強い部分が白く映し出されます。


炎症が強いということは、

その部分に多くの水分が集まりますから白く映し出されるのです。


骨折がある場合、その部分は強い炎症があるわけですから、


よりはっきりと白い画像を確認することができます。


だから、シンスプの場合はT2脂肪抑制画像で検査をされるのです。


ちなみに脂肪抑制とは、


脂肪の画像も白く映し出されると、画像が白いばかりになるので、


脂肪もあまり写さないように、水分だけをより強調しましょう、ということです。


シンスプの骨折のタイプの解説は次回に続きます。

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さて、今回はシンスプが疲労骨折へと悪化してしまう過程について書きます。


下記の図は、すねの断面図です。

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茶色に写っているのが骨になります。


二本ある骨のうち、太い方の骨が脛骨となります。


ここで着目していただきたいのが、


疲労骨折を起こすのは、細い方の骨(腓骨)ではなく、


太い方の骨(脛骨)であるということです。

tibial-stress-fractureial


細い方の骨が疲労骨折を起こすこともありますが、

(細い方の骨が骨折を起こしたとしても、基本的にはシンスプリントと呼んでもいいのではないかと考えています)


ほとんどは太い方の骨が骨折を起こしてしまうことの方が多いのです。

(なぜ、細い方の腓骨ではなく、脛骨なのであるかは今後このブログで書きます)


脛骨の疲労骨折は、最初からレントゲンに映ることは稀です。


レントゲンに写らないからこそ、


骨には問題がない、という診断になってしまうのですが、


この時点で、画像だけではなく、


症状も合わせて考えてあげることができれば、


疲労骨折を起こしてしまう確率はグンと低くなるはずです。

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では、今回からシンスプと疲労骨折について具体的に書きたいと思います。


このテーマで書く内容は、


・疲労骨折とは?

・検査写真(レントゲンやMRI検査)

・その患者さまの状況、


など、そのあたりをわかりやすく書きたいと思います。


まずは最初として、疲労骨折とは何だろう?ということについて書きます。


疲労骨折とは、


明らかな原因(転んだ、落ちた、捻じったなど)がないのにも関わらず、


骨が折れてしまうケースのことを指します。


明らかな原因は見当たらないのですが、


一度では骨折しない程度の力が繰り返し加わることで起こるものです。


シンスプリントの場合で言えば脛骨、

疲労骨折5

足の痛みで多いのは第2・3中足骨、


疲労骨折3

体幹で多いのが肋骨、ということになります。


最近、シンスプが疲労骨折になることが理解されてきていますが、


数年前までは、

シンスプが疲労骨折になることなど誰もがわかっていなかったことでした。


当院では、この点にいち早く着目していたのですが、


シンスプの場合は、疲労骨折の初期の場合ではレントゲンに映らないこともあり、


一般の方はもちろんのこと、


業界においても、理解していなかった先生がとても多いのが実際だったのです。

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今回から、シンスプと疲労骨折について書きたいと思います。


当院には、これまでのシンスプリント5000症例以上という膨大なデータがあります。

IMG_2058

(上の写真は問診票ですが、数か月で山のようになってしまいます)

シンスプ初期の方から数年もこの症状を患っている方。


小学生のお子さんから60代の高齢者まで。


参加している競技についても(ボールを使うのかどうかなどは問題とはなりません)、


ラン系
野球、サッカー、マラソン、陸上競技、ラグビー、アメフト、ソフトボール、ホッケー、ラクロス、ローラースケート、登山など、


跳躍系
陸上競技(高跳び、三段跳びなど)、バレーボール、卓球、器械体操、新体操、ウエイトリフティング、フィギュアスケート、ストリートダンス、チアリーディング、フェンシング、空手、剣道など、


複合系
バスケットボール、テニス、ハンドボール
など様々です。


中には、シンスプだけに症状がとどまらず、


疲労骨折へと悪化してしまった方も多数いらっしゃいます。


なぜ、疲労骨折になってしまうのだろう?


これはシンスプ外来の開設を考えた動機のひとつでもあるのです。


シンスプと違い、
疲労骨折にまで悪化すると、

治るまでにはかなりの時間を要するようになってしまいます。


装具療法はシンスプを治すためのベストの治療法ではありますが、


それでも疲労骨折への対応にはそれなりの時間を要してしまうのです。


疲労骨折にならないためには、


・なぜ、疲労骨折になってしまうのか?

・どうすれば、早く良くなるのか?

・再発しないようにするためにはどうすればよいのか?


これらをしっかりと検証する必要があるだろうと考えています。


これらをしっかりと検証することで、


・疲労骨折を未然防ぐことができる!

・早く良くなる!

・再発もしなくなる!


という効果を発揮できるようになるのです。


それをできるのは、当院でおこなっている装具療法だけなのです。

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